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コラム 第5回 おみやげのマナー マレーシアの個人のお宅や会社を訪問する時に、何をおみやげに持っていくべきか、何を持っていってはいけないのか、ということを知っていることは友情や交流を深め、ビジネスを成功させるためには必要なことです。 マレーシアでは、イスラム教徒であるマレー人のところを訪問する時のおみやげには注意が必要です。絶対に持っていってはいけないのは、人形、酒類、豚肉の入った食べ物です。日本から豚肉の入った食べ物を持ってきたお客さんは今までいませんでしたが、人形と酒類をマレー人に持ってきたお客さんたちはいました。 人形がなぜいけないのかというと、偶像崇拝を禁止しているイスラム教なので、いけないとのことです。東京のある区の区会議員のグループがマレーシアのIT企業を訪問した時に、私は通訳を頼まれ、同行しました。その時、日本から日本人形を持ってこられたのです。実は私の実家が人形屋をやっておりましたので、包装紙で包まれてはいましたが、中身は人形であることはすぐにわかりました。そのグループのリーダーの議員さんに、「人形を贈ることは失礼になるので、やめてください。」といったのですが、「他に何も持ってきていないし、区の経費で買ったものを持って帰れないので、帰る間際に中身を言わずに渡してしまおう。後で捨ててもらっていいじゃないか。」という返事。仕方なく、私は訪問先の人に「人形なので、捨ててください。悪気はなかったのです。」と耳打ちをしておきました。こういう議員さんが税金の無駄遣いをしているわけです。マレーシアのことをちょっと調べれば分かることを、まったく調べず、区の経費で人形を買ってもってきて、「欲しくないなら、捨てれば」とはお粗末な国際交流です。こういう議員さんの1人の人の服装はTシャツにスニーカー、その上、名刺は70gのコピー用紙にコピーした白黒のぺらぺらの名刺でした。今でもその名刺は記念にとってあります。私の人生の中でもらった名刺で最低の名刺がこの議員さんのぺらぺら名刺でしたので記念になります。このグループの最後の私への質問は、「諸江さん、うまいイタリア料理はない?マレーシアのまずい飯ばっかり食わされて、もううんざりだよ。」でした。 酒類を持ってきたお客さんは、ある県の副知事さんでした。その県の名物の幻の銘酒をわざわざ某省の事務次官とマレーシアの国策企業を訪問される時に持ってきました。その事務次官は中国系の人でしたので、その銘酒を渡しましたが、マレー企業の方には私のアドバイスを聞いてくださり、銘酒は渡さず、別に用意していた扇を渡しました。さすが副知事ともなると「いらないなら捨ててくれ」などといわず、別のプレゼントをされました。因みに幻の銘酒はアドバイス料として、私が拝領することになり、日本人の友人と3人で日本料理屋に持ち込み料を50リンギット払って飲ませていただきました。 風水を信じている人には刃物や刃物の飾り物を贈ってはいけないとされています。知らずに贈ってしまった場合、受け取った人がお金を払って買ったという儀式をしても怒らないでください。他人に刃物を送ることは、中国大使館にかみそりの入った封筒を送りつけた日本人の意図と同じように、その刃物で命を脅すという象徴的行為となります。それを避けるために、受け手はもらったのではなく、自分で買ったという形にして、刃物の害を防ごうとするわけです。しかしそのような儀式をすることで風水的に害がなくなるということを知らない人は、プレゼントが刃物だと分かるとつき返してくるかもしれません。ですから日本刀のレプリカとかスイスのアーミーナイフなどをプレゼントするのはやめましょう。 ここ10年ほど日本から来られる方にアドバイスしていますが、マレーシア人が最も喜ぶおみやげを紹介します。それは日本の果物です。日本では外国からの果物の持ち込みが厳禁という状況ですが、マレーシアでは果物を持ってきても没収されません。法律的に本当に許されているのかどうかは定かではありませんが、日本から持ってきた果物を税関で没収されたという話を過去20年間聞いたことはありません。日本の桃と巨峰が最高に人気があります。次が甘い大きないちご、メロン、そして梨。マレー人で日本に行ったことのある人たちは日本の桃とかの果物をもらうと狂喜乱舞します。日本の果物ほどおいしいものは世界のどこにもありません。もしマレーシアの人に心から喜んでもらう贈り物をしたかったら、季節の最高の果物を1つか2つでいいので、持ってこられることをお勧めします。 |