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コラム 第7回 恥のルールのハードル マレーシアの人と話をしていると、「ええ、こんなことまで言うの?」と驚くことがあります。そのいくつかの例を挙げたいと思います。 第1、泳ぐこと。マレーシアの学校にはプールがないところが多く、学校で水泳を習わないので、泳げない人がたくさんいます。若い男性でも平気で「俺、泳げません。だから海とかプールとか嫌いです。」などといいます。日本ではどの学校にもプールがあり、泳げないことは恥ずかしいことの1つですから、「泳げません」などと、若い男性が堂々と宣言することはまずないと思います。多くの日本人はマレーシアは熱帯の国で1年中海やプールに入れるので、皆が泳いでいるのだろうと思っているので、泳げない人がたくさんいることを驚きますが、実はここマレーシアでは泳げないことは全く恥ずかしいことではないのです。 第2、自転車に乗ること。マレーシアでは街で自転車をほとんど見かけません。日本のように通学の子供たちの自転車の大群や、買い物に行くおばさんたちの自転車を全く見ることがありません。だから駅前の放置自転車の問題は、ここでは聞いたことも見たこともありません。よく中国やベトナムとマレーシアをごっちゃまぜにしている人がマレーシアの道路で自転車が走っていないことを驚きますが、マレーシアでは自転車はポピュラーな乗り物ではないのです。だから自転車に乗れないことは別に恥でもなんでもないし、話題にも上りません。むしろマレーシアで大人の男性が自転車に乗っていると、「お前はバングラデシュ人か!」と言われて馬鹿にされてしまいます。どういうことかというと、バングラデシュからの出稼ぎの人がよく自転車に乗っているからです。マレーシアでは自転車に乗る人は車やバイクの買えない貧乏人というレッテルが貼られているようです。 私は高校への通学では自転車を使っていました。私が高1の時の405人のうち、404人が自転車で通っていて、1人だけ自転車に乗れない生徒がバスで通っていました。上の学年にも1人だけ歩いている人がいました。男子校で進学校だったので、自転車に乗れない人に対するいじめというものはなかったと思いますが、自転車に乗れない人は相当変人扱いをされていました。 第3、大便をすること。日本人は、大便をすることを恥ずかしいと感じる人が多いような気がします。私の小学校時代を思い出しても、教室でうんこをもらした子というのが必ずいました。トイレに行けばいいのに、学校のトイレに行けずに、うんこを漏らしてしまうのです。また休み時間などにトイレで大便をしている子がいると、皆で大騒ぎをした覚えもあります。なぜか家以外の場所で大便をすることが恥ずかしかった思い出が私の子供時代にあります。マレーシアでは全くそのようなことはないそうです。私の運転手などは、朝、事務所に来ると40分間トイレに入ります。会社の人は、女性も含めて皆、彼がその時間にトイレに行くのを知っていますし、彼も全く恥しいとは思っていないようです。それに彼はよくどこどこのトイレはきれいでよい、ということを話題にし、特にクアラルンプール日本人会の1階のトイレがとてもよいと言い、私を日本人会に送っていくたびに、トイレを拝借しているそうです。なぜいいかといいますと、松下電器さんの寄付で付けられているシャワートイレが気に入っているからだそうで、それを聞き、私の事務所にも彼のためにシャワートイレを設置しました。大便をするのは自然現象ですので、したい時に堂々と家以外のトイレも利用し、誰も恥ずかしいと思わないのはよいことだと思います。 |