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マレーシアで生活する日本人(個人)のための法的なアドバイス
第2回 マレーシアで消費者として不当な行為に抗議するための方法マレーシアで生活する外国人にも、マレーシア人と同様の保護が消費者として法的に与えられています。しかし生活者の実感としては、泣き寝入りすることが多いのが実情のような気がします。私の個人的な意見は、「泣き寝入りすることも生活の知恵、いちいち目くじらを立てていてはこの国で生きていけない。」ですが、どうしても納得のいかない場合にはいくつかの方法があることを紹介したいと思います。 消費者保護先進国マレーシアには、日本には存在しない「国内取引消費者省」という省があり、国内取引消費者大臣という大臣までおります。当然、消費者のための苦情の窓口がその省の中に設けられています。国内取引消費者省はクアラルンプールのパンパシフィックホテルの前のモールの中にありますので、消費者として不当な扱いを受けた場合には、出向いて行って不平申し立てを行ってください。 国内消費者取引省に不平申し立てを行う前に、まず不当な行為を行った業者と掛け合ってください。そして解決できない場合にのみ、国内取引消費者省は取り上げてくれます、というより、業者と掛け合う前に行くと、「まず業者と話をしてください。」と言われてしまいます。 解決不可能の場合に苦情を言いに行くわけですが、その際に準備すべきものは、業者の情報と物的証拠です。業者の名称、住所、電話番号、担当者名のような情報と、商品の不良ならその証拠物件、会員権などの問題の場合、契約書や会員権の写しなどです。それらのものを揃えていかないと、役所としても対応のしようがありません。 1つの例で手続きを紹介します。私はクアラルンプールのあるホテルのフィットネスセンターの会員でした。そのフィットネスセンターがホテルの直営から外部のマッサージ業者に経営が変わった時、ホテルから会員契約の解除を一方的に通告され、契約期間が残っているメンバーにも返金がなく、継続したい場合には、ホテルへ払っていた会費の4倍も会費を払えと言われました。私を含むほとんどのメンバーは泣き寝入りをして、他のフィットネスセンターへ移りましたが、中国系の友人の1人が怒って、国内消費者取引省に苦情を申し立て、以前と同じ条件で会員を継続することができるようになりました。その際に彼は国内取引消費者省の専属弁護士に5リンギットを払うだけで問題を解決してもらいました。 この例のように明らかに不当であると認められ、情報や物的証拠が整っている場合には国内取引消費者省はきちんと対応してくれます。しかし海賊版のビデオCDを買って、それが映らなかったという理由で苦情を申し立てることはできません。そのようなものを購入すること自体が違法行為に加担しているからです。 また食品店などで、不衛生なものを売られた場合には、市役所に訴えることができます。たとえばぺタリン・ジャヤの場合は、フェデラル・ハイウエーのKLのゲートの近くにあるAMコープの中にある市役所の衛生部門に不服を申し立てることができます。ある日本人の経営している食品店で、そこの経営者の1人が、素手で食品を触って包装したこと、また商品の食品が腐っていてその中にきのこが生えていたことが通報され、その経営者が市役所に呼び出され、厳重注意を受けたという事例もあります。このように食品衛生に関することを市役所に苦情申し立てすることはできますが、それによってその食品の代金が返ってくるというわけではありません。 また道端の屋台で食べたものでおなかを壊したというような場合、その屋台が違法であると、市役所としてもなかなか処罰が難しい状態になります。違法の屋台、つまりライセンスのない屋台の場合は、市役所の屋台のライセンスを発給する担当部署に苦情を申し立て、その屋台を撤去してもらうことはできます。それも代金の返金や腹痛の治療費の請求ができるという意味ではありません。 タクシーで不当な料金を請求された場合には、タクシーの番号を控えて、タクシー苦情のSMSの番号(タクシーに書かれています。)に通報すれば、1,2週間の間にタクシーの運転手への呼び出しがあり、厳重注意がなされます。数回苦情があるとタクシーの免許取り消しということなります。 国内取引消費者省以外では損害金額の賠償までは手助けしてくれませんが、民事訴訟を起こして損害賠償請求をするという方法もあります。しかし相手が海賊版の業者や道端の屋台では、告訴する相手を特定するのが困難ですし、国内取引消費者省に賠償の手助けをしてもらえない場合でも、もし損害額がRM30,000以下なら、泣き寝入りをお勧めします。たとえ勝訴しても賠償請求額を回収できない可能性は非常に大きいし、裁判費用がかさむい可能性も大です。泣き寝入りも外国で生きていくためには立派な生活の知恵です。 |