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マレーシアで生活する日本人(個人)のための法的なアドバイス 第6回 フルタイムのメイドの労働条件 マレーシアで生活するメリットの1つに、メイドを雇い、家の中の仕事をしてもらったり、子育てをしてもらったり、または病人の看病をしてもらうことが上げられます。もちろんお金はかかるわけですが、日本と較べると桁違いに安く住み込みのメイドを雇うことができます。 住み込みのフルタイムのメイドのなり手は、マレーシアでは、マレーシア人以外のインドネシア人、フィリピン人などの外国人です。ですから、外国人を雇用することになり、そのためには、Agensi Pekerjaan(人材紹介斡旋業者)という免許を人的資源省から取得している会社に依頼して採用することになります。そのような免許を持っているかどうかは、社名の最初にAgensi Pekerjaanという単語がついているかどうかで簡単に判断できます。 人材紹介斡旋業者の中でホームページを持っている会社もあるので、そのような会社のホームページからオンラインで申し込むこともできます。たとえば、グマヤンという会社のホームページは、http://www.gemayan.com/maid.html ですので、オンライン・リクエストもできます。また会社の新聞の募集欄にもたくさんのメイドの紹介業者が広告を掲載していますので、そこから電話で連絡をすることができます。 紹介斡旋業者の斡旋料やシステムについては、ホームページでは詳しく公開していないので、個々に問い合わせをして、較べる必要があります。その際のポイントは、 @ 紹介料 A 政府に支払う法定費用 B 健康診断などの費用 C メイドの渡航費用 D 管理費 E メイドの給与 F メイドの福利厚生費用 G メイドの労働条件 H その他の費用 がそれぞれいくらなのかを聞き、合計いくらで、どの時期にいくら支払うのかをよく聞く必要があります。 よくマレーシアの人は、インドネシア人のメイドは24時間労働で休日なしでいいが、フィリピン人は日曜日は休みにしないといけない、などといいますが、法的には、外国人のメイドもマレーシアで労働者として働く場合には、マレーシアの雇用法の下にありますので、24時間労働、休みなしというのは違法です。しかし現実のメイドの労働条件は、雇い主によって大きな違いがあるようです。 労働条件についての1つの参考として、フィリピン政府とマレーシア政府の間のメイドの労働条件基準がありますので、紹介します。 1. 最低賃金 US$200以上(月額) 2. 労働時間 10時間以内、最低8時間の睡眠(1日) 3. 休日 週に1度 4. 渡航費用:雇い主が負担 などです。 以上は、制度的なことですが、実際にメイドを雇う前に、常識的な日本人家族の場合、自分と家族に問いかけるべきことが2つあります。 1. 自分の家庭に他人、それも言葉もあまり通じない外国人がずっと一緒に生活することが受け入れられるか? * 家族だけでしたら、男性が裸で家の中を歩いたり、家族の前でおならをしても構わないでしょうが、そういうことはメイドも人格のある人間ですので、彼女の前ではしてはならないことです。 2. 言葉があまり通じないメイドが、家庭の仕事ができるようになるまで、根気よく教えることができるか? * 主婦が担当することですが、自分の代わりにやってもらう仕事は、時間をかけてきちんと教えないと、思ったような仕事はしてもらえません。インドネシアの山奥からきた女性が、ガスの消し方を知らなくて、「フー」と吹いて消したなどいう話はよくあることです。洋式トイレの使い方はもちろん、電気洗濯機の使い方まで、自分の常識でメイドが知っていると判断せず、すべて教える必要があります。 2つとも問題がないと確信したら、以下のことに気をつけてメイドを雇うことをお勧めします。これは私自身がメイド(パートタイム)を長年に渡って雇った経験と、親しい中国系の友人の家庭のメイド(フルタイム)に関する友人の意見やコメントをまとめたものです。 1. メイドは家族の一員でない。家庭内の仕事をしてもらうプロとして扱う。 * 日本人はとかくメイドを家族の一員として遇することがよいと思う傾向がありますが、日本人がおいしいと思う食べ物をインドネシア人のメイドはまずいと思うかもしれないし、日本人がおもしろいと思うテレビ番組も彼女にはチンプンカンプンでしょう。絶対に違うという前提で、あくまでも労働を提供してもらうということでの人間関係を築くべきです。 2.労働の対価は、お金で払う。 * 家族と一緒に同じものを食べることが必ずしもメイドにとってうれしいことではないので、家族と同じ扱いをしてあげているという評価で労働の対価を評価するのは間違いです。メイドがよい仕事をしてくれた時には、その分、それ相当のお金で評価することが、プロに対する礼儀であるし、彼女にとって一番うれしいことです。 3. お互いのプライバシーを尊重する。 * 家族の問題をメイドに相談したり、メイドの身の上話を聞いて、手助けをするような関係は、長い目で見るとよいメイドとの雇用関係にはうまく結びつきません。必要な仕事をしてもらい、仕事が終わったら、自分の部屋でテレビでも見ていてもらうことが必要です。 メイドと雇い主は同じ人間ですが、決して平等な立場に置かれていないという現実を雇い主がはっきり認識する必要があります。日本は平等社会なので、階級社会のシステムを理解していない日本人が多いのですが、東南アジアの階級社会の中では、メイドは下の方の階級に属する人々で、彼女たちは自分の立場を十分わきまえています。私たちが理解しなければならないのは、彼女たちの望んでいることは、マレーシアの日本人家庭でメイドとして家族の一員のように扱われることでなく、1円でも多くのお金を儲けて、国に帰って、メイドを使えるような生活をしたいということです。彼女たちの本音は、できることなら外国でメイドなどしたくはないのです。そのことを理解すれば、メイドとの人間関係が非常にスムーズに行きますし、メイドに対して変な意味での多大な期待をしなくなりますし、またメイドの方も雇い主がなんでいらいらしているのかが分からずに苦しむこともなくなります。大きく言えば、日本人の我々がメイドと自分が違うということを認めることが最も大切なことです。 |